カテゴリー「文化・芸術」の148件の記事

2015年9月28日 (月)

黒澤明:「動き」の表現者Akira Kurosawa - Composing Movement

当たり前のことだが、「映画」に為るか為らないかを決める需要な要素は「動き」である。

何をどう動かすか、カメラの動きはどうするか、むろん動かさないことも含めて、監督の決断が映画の善し悪しを決めるのだ。

その点において黒澤は紛れも無くヴァーチュオーゾである。

ネット配信で好きな時間に気軽に良き時代の日本映画を観られるように為らないかな。

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2015年9月24日 (木)

杉浦日向子「江戸へようこそ」:よっこら、すうすう、はあはあ

9月14日のブログ別冊太陽「錦絵春画」特集鈴木春信「風流艶色真似ゑもん」を紹介した時に触れた杉浦日向子さんのエッセイなのだが、先日蔵書整理中に三度の引越をかい潜ってきたダンボール山の底から「発掘」された彼女の貴重な単行本群(「百日紅」初回本等含む)に中にあった「江戸へようこそ」というエッセイ/対談集に収録されていた事がわかった。

Photo_2本を開いたら何やら印刷物が挟んである。見れば、当時の勤め先(本厚木)近くの喫茶店「アールヌーボ」が発行していたミニコミであった。日付は'86年9月1日、約29年前か・・・。当時は実家を出て一人暮らしを始めたばかりの31歳、知的刺激欲に満ち溢れていた(あと性欲もね)。その対象は勿論書籍である。なんてたってパソコンもない時代だもん、「何?」となったら直ぐ本屋(立ち読み含む)の時代なのだ。

そんな訳で、杉浦日向子作品群が収められたダンボールを含む周辺地層から発掘された他の書籍が凄い。哲学書、文藝や映画の評論集、古今東西の古典、文明論、等々、宮武外骨「滑稽新聞」復刻版全6巻なんてのもある。今は絶対読みそうもない、否、(根性無し的な意味で)読めそうもない作品群だがこの時期に貪欲に吸収しようと読み漁ったからこそ「今」の(良くも悪くも多少面倒臭い)個人的価値観に拘る「私」が有るのだと思う。

閑話休題

江戸へようこそ」であるが、対談は後発の「江戸塾」シリーズの方がずっと面白くって為になる、とだけ言っておこう。機会があれば是非読んでいただきたいのはエッセイの方である。私の江戸的なるモノへの視座は全てこの中にある。というか29年前に読んだ杉浦日向子の「言葉」で形造られたということに今更ながら気付いたのだ。

秀逸なのは、ある種の決意表明とも言える前口上である。「江戸はここにある、では江戸とは何か」について彼女なりの考えを述べているのだが、それこそが杉浦日向子女史が一生かけて取り組んできた命題なのである。でもね別に眉間に皺寄せてってわけじゃなくて、蕎麦屋で昼から「ぬき」をアテに酒呑むこともありなんだよね。

・・・・・

さて、当ブログのタイトルに有る「よっこら、すうすう、はあはあ」は何でしょう?

これ、春画の書き入れなんだよね。「すうすう、はあはあ」は判るけど「よっこら」に漂うある種の滑稽味が良いよねぇ。書いた人は葛飾北斎、隠号は紫色雁高(ししきがんこう)もしくは鉄棒ぬらぬら、例の蛸の絵の書き入れの何ともくだらない面白さもそうなんだけど、北斎が心底楽しでるのが伝わってくる。日向子女史に言わせると、「よっこら、すうすう、はあはあ」と声に出しながら北斎は描いたんじゃないかと。その風景を想像すると面白楽しいですな。

そしてこの「よっこら、すうすう、はあはあ」は春画について書かれた項目のタイトルなのだが、この項目での春画に対する杉浦日向子解説は面白くて非常に為になる。全て引用したくなるほどだ。しないけどね。

ただ今開催中の春画展に行く、行った、方は是非読んで欲しいと思う。「ああなるほど」から「もっと楽しめそうだ」になると思うのだよ。

それからね、春画は笑って良いんだよ、勿論。

当時の川柳「馬鹿夫婦春画をまねて手をくじき

あと、「真似ゑもん」、あった。記憶と違ってなかった。11月3日からの春画展後期展示が楽しみだ。Photo_3

現在は文庫化もされているようだ。

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2015年9月19日 (土)

行ってきた、観てきた「春画展」@永青文庫

9月19日Twitterから

行ってきた、観てきた「春画展」@永青文庫。刷り版浮世絵の傑作群は勿論だが、何と言っても頭がくらくらする(いろいろな意味で)のは肉筆画!古典「小柴垣草紙」のAV感とか関西系無名絵師によるリアル交合図「耽溺図断簡」とか…図録も充実の内容。

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まるで鈍器のような図録(実際に手に取れば判る)が凄い。多分現時点では最上級の春画カタログだと思う。グッズショップは会場の外にあるので、重いし荷物になるなぁと思う方も出直して購入することが出来る。

税込み4000円と、ちとお高いが買わないと後で絶対に後悔するよ。

表紙↓(18禁、土産の時は注意必要)Ore_0001

前期後期の他に一部展示入替えあり「worklist.pdf」をダウンロード

個人的に大注目の鈴木春信『風流艶色真似ゑもん』は後期(11月3日から)登場。

さて、各作品の感想をどう書けばよいか思案中・・・

続く

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2015年9月14日 (月)

別冊太陽「錦絵春画」特集

永青文庫「春画展」に合わせて美術雑誌等で特集が組まれているが、春画といえば活字媒体におけるカラー無修正掲載の先駆けといえる別冊太陽であろう。

華やかな錦絵春画を描いた信、湖龍斎清長春潮歌麿北斎英泉豊国国貞国芳ら日本を代表する浮世絵師10人の名品撰。

今回の特集も文句なしである。

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春画についてあれやこれや思うことは「春画展」に行ってから書くつもりだが、この特集でやっとある程度まとまった形で出会えた作品があった。

それは鈴木春信「風流艶色真似ゑもん」である。

この作品は仙女の力によって豆のように小さくなった主人公真似ゑもんが秘事の場面に出没するという話なのだが、その秘事の現場がいちいち面白く(オープンすぎてぜんぜん「秘事」じゃなかったり)、現場の隅で観「戦」する真似ゑもんの(かわいい?)姿とそのコメントで思わず笑顔になってしまうのである。そうまさに「笑い絵」なのだ。

また春信独特のキュートな絵柄で描かれる「秘事」がなんかこう・・・好きなんだよね。

で、この作品を知ったのは故杉浦日向子女史のエッセイでなんだけど、そこで紹介されていた場面「観戦中の真似ゑもんの興が乗り箸で茶碗叩いてチャンチキチャンチキと応援しちゃう」(記憶曖昧)に該当するシーンは今回収められていなかった。残念。「春画展」には出品されるのだろうか?

真似ゑもん観戦コメント「デカイもん持ってるがブ男だな(大意)」Page0108top01

福岡市美術館の肉筆浮世絵の世界展では「真似ゑもん」のグッズ(マグネットとスタンプ)があったらしい。ああ、これならお土産でも安心だ。

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2015年9月 5日 (土)

日本初!春画の名品が集結する「春画展」がついに開催

世界が、先に驚いた。SHUNGA 春画展

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盛況だった大英博物館「春画展」から2年、愈々日本国内でも開催されることになった。会場は東京目白の永青文庫、詳細は以下。

会期:(前期)9月19日(土) ~ 11月1日(日)
     (後期)11月3日(火・祝) ~ 12月23日(水・祝)
会場:東京都文京区目白台1-1-1 永青文庫 特設会場(2〜4F)
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※9月~11月の金曜・土曜は20:00まで開館予定
休館日:月曜(祝休日の場合は開館)
料金:1,500円
※18歳未満は入場禁止
ウェブサイト:http://bit.ly/1VDUn6y

江戸の庶民の大らかさが生み出した「お楽しみ」だったはずなのに、近代日本では主に権力者(裏では大スケベ)達によって不当な扱いを受けてきた春画である。開催に辿り着くまでの関係者の苦労が察せられる。その辺り美術雑誌「和樂」編集部日記に詳しい。

Twitter等で見る限り、評判は上々のようだ。河鍋暁斎展の春画コーナーでもそうだったが若い女性の方々(男性より「楽しみ方」を心得ている?)が多いようで展覧会成功へ向けて心強い限りだ。成功すれば「次」があるしね。

私が思う「春画」の楽しみ方は、驚き、呆れて、最後は笑っちゃう、が良いかと。多少のスケベ心はもちろんOK。ただしむっつりはいけません。

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2015年8月 1日 (土)

河鍋暁斎@三菱一号館美術館 前期

気がついたら前期展示が終わりそう(8月2日まで)だったので猛暑の中行ってきた。

総評は後期鑑賞後に書くつもりなので、ここではInstagramを転載しておく。

河鍋暁斎@三菱一号館美術館。熟年男女多し。しかし、この暑さ、辿り着くだけでもかなりの苦行であった。

暁斎展、建築家コンドル氏との親交を軸にした導入部の展示が素晴らしかった。氏は人間としても魅力的な御仁であったようだ。

建築家コンドル縁の三菱一号館で堪能した暁斎展、中でも「春画」展示には(その英断に)賛辞を送りたい。しかし不自然な体位でさえ骨格的に拘る暁斎さん・・・
流石である。

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2015年7月 9日 (木)

STARWARS + 浮世絵

残念ながら完売の商品があるため既に初摺りセット販売は終了してしまったようだが、面白い試みだと思うので紹介しておく。

STARWARSの世界を本物の浮世絵に!~ルーカスフィルム公式ライセンス商品~製作映像/作品紹介

STARWARS浮世絵プロジェクト詳細http://bit.ly/1HhlrSw

あっという間に完売した作品は「星間大戦絵巻 暗黒卿 堕悪巣俾荼」↓そりゃそうでしょうとも。Detail_978_1434703038_2

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2015年2月14日 (土)

まる(ネコ):箱とねこ18。-Box and Maru18.-

ある種のシュールリアリズム。

タイトルは「箱の底に顔があってもいいじゃないか」もしくは「箱猫」。

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2015年1月 3日 (土)

東博でお正月

正月2日目

東京国立博物館博物館に初もうで

トーハクくんとユリノキちゃんがお出迎えPhoto

目黒不動尊初詣と並ぶ我が正月の恒例「参拝」。いや冗談ではなくこの場所には古今様々な(芸術家や職人の)魂が棲んでいらっしゃると想うのである。江戸城の鬼門封じのために建立された寛永寺の敷地内に東博が建てられたという事実は示唆的だ。

という訳で、心のなかで手を合わせ感謝の気持で入館するのであった。

例年以上に人出が多い。外国の方も多数見掛けた。Photo_2

正月に必ず展示される等伯「松林図屏風」、引いてみるべき作品なので、前方に人が多いと風情が台無しであるが、しょうがないな、正月だもの。0806_11


逆に伊藤若冲は細部をじっくりと楽しむべき作品なのだ。

どうですか?このデフォルメ具合↓雛の描写のやっつけ感、最高です。

松梅群鶏図屏風(部分)Photo_3

雛さん、西原理恵子のヒヨコみたいだ。Photo_4

そうかと思うと、こんな作品も描いちゃうところが若冲の凄さ。

紫陽花双鶏図(プライス・コレクション)Fukkoutown_pic_01

この二面性こそ彼の魅力なのである。

玄関前では和太鼓グループ批魅鼓による和太鼓の演奏が行われた。Photo_5

これが良かった。「和」の要素に現代的なパーカッション・アンサンブルの魅力を加えた、ある意味ロック的なビート感を感じさせるパーフォーマンスで魅了された。

メンバーのうち、何人かはドラムも叩いてそうだな。

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2014年12月30日 (火)

New York、Part.24 お終い。

New York」tag http://bit.ly/1x3AVqt

Part.1   Part.2  Part.3  Part.4  Part.5   番外    Part.6  Part.7 
Part.8   Part.9  Part.10 Part.11 Part.12 Part.13 Part.14 Part.15
Part.16 Part.17 Part.18  Part.19 Part.20 Part.21 Part.22 Part.23
Part.24

 

ブルックリン

ブルックリン側からマンハッタンを臨む。再開発が進んでいるのだ。

Photo_2

ブルックリンといえばブルックリン橋

そして映画好きならばセルジオ・レオーネ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」('84、米・伊)のこの↓神話的なカットを思い出すであろう。

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初見当時、まだこんな風景が残っていたことに驚いたが、実は今でもあるのだ。

Photo_3

現在この一画は(外装はそのままだが)高級アパートメントが立ち並ぶニューヨーカー羨望の地域になっているのである。オーナーはユダヤ人だったけな、この辺りはユダヤ人ゲットーだったのだが・・・・・色々なドラマがありそうだ。

ブルックリン橋の遊覧船乗り場でこんなもの↓を発見。日本と変わらんな。(クリック拡大でご覧あれ)

I L♡VE YOU. Will You Marry Me?025_2

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昼食はルークス・ロブスターのロブスターロール、美味しい身が山盛り!

味付けはシンプルなマヨネーズ和えなのだが、それが故、食材の新鮮な旨味を活かしていて、ああロブスターってこんなに美味しんだと感動するのである。

単にザリガニのでかい奴と思っていた私、大反省。

さて、ブルックリン橋を渡るのである。032

1883年に施工・完成した長さ1,834mの歴史的建造物が今尚NY交通網の重要拠点として現役であるということにただただ圧倒される。

橋は上下2層に分かれていて、下層は車道、上層が歩道となっている。

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ブルックリン側から渡ると、次第にマンハッタンの景観が近づいてくる、シネラマワイド、いや今ならIMAX3D的な視覚体験を齎してくれるのである。

ブルックリン橋を渡り終えると、そこは3.11の現場近くである。

・・・・・以下、雑感風に(文体も変えます)。

グランド・ゼロ

写真も撮りましたが、敢えて載せません。私なりの祈りを、そして哀悼を捧げてきました。

チェルシー、ハイライン

ここは逆に写真を殆ど撮っていません。実はこの辺りから左腰に「痛み」を覚えてキツイ状態になっていました。5日間ほぼ歩き通しでしたから、何時かくるだろと思っていましたが最後の最後にいらっしゃいました。

それでもチェルシーマーケットのどこかアジアのマーケットを思い起こさせる「食の祭り」的喧騒には元気が出ましたし(ここでもロブスター、今度はポタージュで、旨し)、ハイラインの考え抜かれた「調和」の街づくりには感心しました。

そうアジア的といえば思い出しました。NY滞在中驚いたのは、歩行者が誰も信号を守らない、という事実。渡ったもん勝ち。過去に訪れた台湾での風景を思い出しました。そう言えば、「屋台文化」もアジアっぽいですよね。

それで、腰に爆弾を抱えたまま帰還のためグランドセントラルに向かう途中、その歩行者マナー(5日もいれば染まる)のせいで車に轢かれかけたのです。あちらも歩行者がいる事知った上で突っ込んできましたが。で、それを避けた際に、爆発しました

その後は普通に歩いても身体が左へ左へと流れるという、情けない状態に。どうも腰の内部というよりも横腹の筋肉か腱に問題があるようです。じっとしていれば痛みを感じません。でもそれじゃ帰れません。頑張りました。その晩はKさんからトクホン貰って貼りました。

次の日の朝は・・・・・痛みなし!

無事、帰国便で帰りましたとさ。

(お終い)

最後に

お世話掛けっぱなしだったKさん、そしてお部屋をお借りしたK氏、話し相手になって下さったKYさん。

そして道に迷った時、つたない英語の問いかけに一生懸命応えてくれたあの方この方。

ありがとうございました。

Kussy

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