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2014年12月 2日 (火)

New York、Part.8 無限の回廊?そしてカペさん、再び。

New York」tag http://bit.ly/1x3AVqt

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メトロポリタン・ミュージアムは無限の回廊?

もしくはRPGのダンジョン的な。いやいや、冗談ではなく、私のように「勘」で歩き廻るタイプの(よーするに無計画、成り行き任せ、刹那的な)鑑賞者にとっては魔界の迷宮のような場所なのである、しかもとても魅力的な。

一応、1階のエントランスで日本語の館内マップを入手出来るのだが、もう見た瞬間そっと閉じたのである。これはとりあえず歩き廻っちゃった方が早い。次を考えたり、迷った時にマップを見れば良い。で、目の前のあった「エジプト美術」コーナーに突入したわけだ。それまでが前回エジプト編。

その後は行き当たりばったり。以下印象に残ったことを中心に。

2階に上がり、アジア地域へ。残念ながら、海外においては日本、中国、韓国はどうしても一括り的な扱いになってしまう。メトロポリタンでもその違和感はあった。それは、陳列されているどの国どの地域の方にとっても同じなのかもしれない。個人的には、最近はその違和感も含めて楽しむという余裕ができたが。文化の融合が急速に進んでいる現在、価値観(ものの見方、感じ方)の多様性も当たり前、それを受け入れてこそよより深く楽しめるのである。あ、いかん、後でPerfume NY公演感想で書こうと思っていた事、書いちまった。

日本美術は勿論、中国美術も質の高い作品が多く日本でも紹介されているので、希少性という意味ではちと残念ではあったが。

ヨーロッパ絵画」、正方形の部屋が四方八方に無限に連なる様な印象をもたらす「魔界」コーナー。部屋から部屋へと無造作に陳列された歴史的名作が次々に目に飛び込んでくるのである。隣接する部屋の絵画に惹かれて部屋間を移動しているうちに完全に「迷子」になってしまうのだ。気が付くと「ふりだし」に戻っていたりして。

そんな中、名作以外にも幾つか印象に残る作品に出会えた。

そしてこれは私にとって「やっと会えたね」的な一品↓

アデライド・ラビーユ=ギアー二人の弟子マリー・カペ、キャロー・デュ・ローズモンドと一緒の自画像1785年084

美術のお師匠さんとお弟子さん二人の何ということはない肖像画。

だが描かれた時期はフランス革命間近、社会の変革とともに女性の意識も変わり、彼女たちなりの自立の道を目指し始めた時代。そしてこの美術の先生アデライド・ラビーユ=ギアールが運営していた施設の名は「女性のための美術学校」、つまりこの二人の弟子(マリー=ガブリエル・カペ、キャロー・デュ・ローズモンド)が選んだ自立の道は絵描きだったのである。

実は私はこの作品にメトロポリタンで会えることをとても楽しみにしていたのだ。

その理由は、この中央の女性、マリー=ガブリエル・カペは私が西洋美術館で一目惚れした「ドヤ顔」の自画像の方その人だからなのだ↓

自画像1783年 Marie-Gabrielle Capet Lyon, 西洋美術館蔵Rimg3303

当ブログにも書いた。「国立西洋美術館で一目惚れhttp://bit.ly/1FKNre2 

この自画像は彼女が油絵に熟達した初期に展覧会に出品された作品である。そう、「売り出し」狙いの意図もあったはずだ。だが、その目線には「媚び」が無いのだ。むしろ観る者(仮想対象は男だったかも)を挑発するようなふてぶてしさえ感じる。

翻って、先の師匠の作品に描かれた彼女を見ると、尊敬する師匠と信頼する友人の間でとてもリラックスした自然な姿があるのである。

彼女の立ち位置が何となく伝わってくる。

師匠ギアール(晩年はカペと一緒に暮らしていた)の死後、カペが描いたギアールのアトリエでの様子↓

1800年のラビーユ=ギアール・ヴァンサンのアトリエで1808年、ノイエ・ピナコテーク蔵Mariegabrielle_capet__atelier_of_ma

カペだけが現在(1808年当時)の姿、そしてひとりこちらに目線を向けている、それはこの場面が過去、つまり彼女の記憶の世界であることを伝えている。しかし何という表情であろうか。達観はあるかも知れないが哀しみはないな、様々な人生に対する慈しみ、かな。口元に微かに浮かんだ笑みが、「菩薩」のようでもある。フランス革命前後からナポレオン帝政時代、カペの生きてきた時代を考えると、この表情から読み取れる想いは深い。

つい熱く語ってしまった。

でも、ひとつの作品から考えを巡らしていくというのも、美術鑑賞の醍醐味の一つだし、良いか。

(続く)

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