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2014年9月28日 (日)

ボストン美術館浮世絵名品展 北斎@上野の森美術館 応為「三曲合奏図」

0x480_exhibit_78_0 昨年12月から神戸、名古屋、北九州と巡回してきた北斎展が(やっと)上野で開催中。

勿論北斎は大好きだし、保存が良好な浮世絵諸作を鑑賞できることは楽しみなのだが、如何せん「大混雑」がネックなのである。何度もブログに書いているが浮世絵は「大展覧会」には向かないのだ、肉筆画もほとんど展示されないし・・・・と、普通ならパスしても良い展覧会なのだが、その数少ない肉筆画に葛飾応為三曲合奏図」が入っているとなれば話は別なのだ。今年の1月に両国で開催された大浮世絵展で応為の「夜桜美人図」を鑑賞した際にその情報を知り、東京(上野)での開催を今か今かと待ち続けていたのである。

で行ってきました。土曜日の夕方、閉館(PM5:00)約1時間前駆け込みで。

陳列冒頭の春朗期や浮絵初期作は混んでいたので人垣後方からざっと観て済ます。と言うかこの辺りは北斎としての個性確立以前の習作期なのでそんなに熱心に観ることもないのに何故か会場で一番混んでいるという人気展覧会で有りがちな現象が。

その後の洋風版画や壮年期の作品には浮世絵定番のモチーフに沿いながらも独自性を出している作品が多く、幾つか印象に残った。例えば、役者絵の「瀬川路之助の女房こむめ」と「沢村源之助の梅のよし兵衛」(画像http://bit.ly/1r75McS)、この2作は初見だったのだが、直ぐに惹かれた。なんという立ち姿の「粋」な美しさ!しかも役者の顔立ちや個性も伝わってくる(多少の美化はお約束)写実性があり、「惚れ惚れ」してしまうのである(女形にもちゃんと男前の格好良さがある)。この時期の役者絵はこの二作しか確認されていないようで、実際の舞台でのスケッチというよりもポートレート的側面が強い頼まれ仕事だったようだ。

もっと見たかったな、北斎独自の役者絵。

 続いて北斎大傑作群が目白押しの「為一」期。今更多くを語ることも野暮なので(大変なので)一言、「保存が完璧、色が綺麗」、風景画や花鳥風月、刷りの凄さが映えてとんでもないことに。個人的には「諸国瀧廻り」に心底圧倒された。

そして最後の最後に、目的の葛飾応為。

三曲合奏図O0521042712831562335

以下、妄想炸裂。

音が聴こえる。三味線、琴、胡弓という変則的な編成によるジャム・セッションが目の前で繰り広げられている。そして画面から溢れる躍動感!身体のひねり方、楽器の持ち方、弾き方、その「音」は決して日本的な情緒を奏でるのではなくもっと根源的な音楽衝動に根ざしたプリミティヴでパワフルなものだったに違いない。その場合、三味線はリズムセクションであり、琴はキーボードであり、胡弓はリード楽器なのである。ああ、ジャズだな、これは。

普通に楽器をある程度極めた奏者なら「即興演奏(合奏)」の魅力に目覚めるのは自然な流れだ。それは決して大衆的ではないが、江戸時代に於いても内々では普通に行われていたのではないか。しかもそこには生まれや育ち、歳の差に囚われない自由な空間があったのだと思う。それは彼女たちの着物の柄や着こなしの違いからたやすく想像できるのだ。

もしくは、これは全て葛飾応為の想像の産物だったりして・・・・・それはそれで凄いな。

以上、妄想にキリがないのでこの辺で。あくまでも個人的な感想ですので、悪しからず。

それにしてもだ。

この一年の間に、現存する(応為作と確認された)作品が10枚にも満たない葛飾応為の肉筆代表作3幅、この「三曲合奏図」(ボストン美術館蔵)と「夜桜美人図」(メイナード美術館蔵)、そして「吉原格子先之図」(太田記念美術館蔵)をこの目で鑑賞できた幸せ

生きてて良かった。

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