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2014年1月10日 (金)

大浮世絵展:「彦根屏風」、漂うエロス

先週末、両国江戸東京博物館で開催中の「大浮世絵展」に行ってきた。

Title

入館して直ぐにその混雑ぶりに、しまった松の内に来るんじゃなかった、と思った。しかし短いサイクルでの入れ替わりが頻繁にあるこの展覧会においては、観たい作品は観られる時に無理してでも観ないと絶対後悔することになるのである。そう、特攻あるのみである。

展示(期間)リストhttp://bit.ly/1iYoK6K

小さな展示物である浮世絵はちょっと人垣が出来るだけでも忽ち観るのが困難になる。仕方なく順番の列に並べば、割り込みやら、居座りやら、薀蓄披露やらで全く前に進まんのだ。だから順番にじっくり見るのは早々に諦めて、観やすい作品(屏風絵や肉筆画は基本大きめ)や気になる作品(好きな絵師の作品は無理してでも観る)のみチェクしつつ前へ前へと進むことにした。

それでも、「この絵師もしくはこれ一品だけメインで展覧会開いても十分人が呼べる」クラスの逸品が次から次へと・・・とても全ては紹介しきれないが、個人的に特に強く惹かれた作品を中心に記していく。

先ずはこれ。入館して直ぐの場所にここに有るのがさも当たり前のようにあっさり置かれた「彦根屏風」。

Hikone

そう、歴史教科書の元禄時代の風俗挿絵資料で誰もが知っている有名作品だ(特に右隻、ジョジョ立ちの若侍とか)。近年精密な修復が施されたこともあり、時代を超えた輝きを感じた。京都の遊郭を舞台にしたようだが、そのせいか描かれた女性(+若侍)たちから立ち上る色香に陶然とする。それは肉感という直接的なエロスではなく、その場を微かな官能の香りで包み込みリラックスさせるような「香」なのである。「アロマ」なのである。

そうなのだ、仄かなエロスは場を緩やかに盛り上げるのだよ。だから遊郭での文化交流(サロン文化)が魅力的な江戸文化を生み出したのだ。

そして、注目すべきは左隻、皆で交流真っ最中の場である(クリックで大きくなるので是非拡大して観てください)。

Hikonebyobu

・・・・・文体変えます。

どうです。微かな官能の香り、漂っていませんか?

え、場違いな爺さんの存在が相殺しているって?

いやそこがポイントなんですよ。

三味線を弾く年配者と後方の(確かな技術で描かれた)山水画、これはこの絵を描いた絵師自身の(私はこういう者です的な)プロフィールなんじゃないかと思うのです。取材者であり観察者、しかも年齢的に戦国時代を体験してきた「大人」の存在。この絵が描かれたのは1630年代辺りらしいが、そうすると若者たちは皆「戦後世代」(大阪夏の陣は1615年)。

どうでしょう、人間ドラマを感じませんか?

実は元禄の平和を(そして仄かなエロスを)心から満喫し楽しんでいるのはこの絵師なんじゃないかと思いませんか。

今のところ絵師の名は特定されていないのですが、戦国時代を壮絶に生き抜いた「岩佐又兵衛」説を私は断固支持したいのです。そうであれば、この絵から読み解ける(もしくは妄想できる)物語がより魅力的になるからです(残念ながら現在は否定説が有力ですが)。

岩佐又兵衛wiki http://bit.ly/1d99osr

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