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2012年10月 2日 (火)

黒澤明「乱」

『乱』は苦手な黒澤作品の一つだった。

公開時に2度、その後ビデオで1度鑑賞しているが、近年Boxで購入したDVDは一度も観ていなかった。

何故苦手なのか、それは役者の質(演技)が低すぎるからである。

監督自身が『影武者』で演技指導の限界に気が付いてしまったのか、重要な場面(役者が信頼できる場合、特に井川比佐志関連)の演出を除けばあとはありがちな「泣く」「叫く」「怒る」のパターン演技なのだ。特に酷いのは重要な役を素人に演じさせている後半、悪声による棒読み、間が悪くて停滞するテンポ、ほとんど学芸会である。

一度そのあたりが気になり始めると、映画を「絵」として観る目も濁る、集中できない、おかげで「作品」としての評価が個人的にはいつまでも中途半端なままだった。

ところがだ。YouTubeでアメリカのファンがUpしたこの映像を観て目から鱗が落ちた。


音楽にデッドカンダンス(!)を選ぶUp主のセンスもさることながら、何といっても「一枚の絵」としての映像の力が強い。海外で黒澤的映像美学の集大成と言われる理由が納得できる圧倒的な凄みがある。

そうなのだ。

日本語が理解できない、つまり字幕で鑑賞している外国人の方が素直に黒澤の映像の魅力を評価しているのだよ。

後半の間延びした演出も台詞ではなく「絵」で見せることを優先した結果だと思えば・・・

で、ちょうどタイミングが良いことに、WOWOWで初のハイビジョン放送があったのである。

勿論観た。

・・・・・

「絵」に泣いた。

冒頭から美しすぎである。そして三の城攻めシーンの壮絶美、末の方登場シーン(そして最期)、楓の方斬首シーン、等々、ため息が出る。

ただ残念なのは、黒沢らしくない「妥協」が垣間見られるシーンもあることだ。特に合成シーンのお粗末さは酷すぎる。

ま、そんなあれやこれや、じっくり纏めていつか感想をアップする(かも)。

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