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2012年2月 5日 (日)

がきデカTHE BEST がきデカ登場!!の巻

2009年刊行「がきデカTHE BEST 1」(1890円)のコンパクト版である。カラーページが無くなったとはいえ値段が500円とずっと手頃になった。軽いし。良いことである。

感想は2009年の時と変わらないので、そのまま転載。け、決して手抜きではない。

2009年1月 8日(木)ブログから

「中春」より先に刊行が始まってしまった旧シリーズのベスト・セレクション。過去にも何回か似たような企画で復刻されてきたが、中途半端で満足のいかないものが多く、結局手元に残り続けるのはリアルタイムで購入した秋田書店のオリジナル単行本だけだった。さて昨年の山上選集刊行の流れから企画されたであろう今回の「がきデカ」はどうだろう?

61dzehhd3ml_sl500_aa300__2 記念すべき連載第一回からの最初の一年間を時系列に沿ってセレクトした内容は非常に興味深い。

それまでの青年誌(当時この言葉はなかったかな、大人向け漫画雑誌?劇画雑誌?)中心で展開していた(エロ・グロ傾向の強い)過激なギャグスタイルを少年誌の中でどう折り合いをつけていくのか、当時既に「喜劇新思想体系」はじめ山上ギャグの強烈な洗礼を受けていた我々(大学の友人にはファンが多かった)は期待と不安で第一回連載を読んだ記憶がある。実際のところ、見慣れた山上キャラがコマのあちこちに登場しているのは嬉しかったが、内容的には中途半端な印象は否めなかった。こんなもんじゃないだろう、という感じ・・・今読むとそれなりに面白いのだけどね。

ところが山上の凄いところは連載一ヶ月ほどで「がきデカ」ワールドを完成してしまったことだ。以前の作品でも見うけられたそれ自体がギャグとして成り立つような極端な身体表現(表情やポーズ)を効果的に多用し、それがコマ運びのテンポにアクセントを与えスピード感を増したことや、描線に青年誌(劇画系)特有の泥臭さが消え少年誌向けの適度なデフォルメ(単純化)が各キャラの魅力を倍増させた(キャラの役割分担も明確化した)。

数カ月単位の単行本では見えにくかった「がきデカ」完成形への流れが一年単位で見るとよく分かる。連載で一定のクオリティを保ちながら、流れを加速するように時々登場する「さらに突き抜けたとんでもない作品」が当時の読み手にどれほどの衝撃を与えたことか。「今週の読んだか?」「あれは凄い」と学生の間でも話題になったものだ。今巻にもそんな作品がいくつか収められているのだが、今読んでも凄まじいなぁ。個人的に忘れられないのは連載2ヶ月でここまで辿り着いてしまったか、の『少年警察官出動!!の巻』。のっけから狂っている。山上定番キャラの二人の中年警察官がやばすぎる。そして、「がきデカ」史上1、2を争う衝撃と言えば『かーちゃんが居なくても!!の巻』に登場した練馬変態クラブかもしれない。その後何年間も「練馬変態クラブみたい」で会話が通じるようになる程だった(今でも同世代的にはOK)。ひとつひとつ取り上げているとキリがないが、今巻最後に収められた『寝てはならない新学期前夜!!の巻』は山上の中で対象が子供という事はどうでもよいことになったということが良く分かる作品だ。冒頭のあべ先生のアレもナンだが、こまわりの握りこぶしのアレは良く許されたな。そうそう、あべ先生の下宿先は「おます」の2階なんだよな。それも仲間内で話題になったもんだ。

いずれにしても、今回の刊行シリーズは良い仕事ぶりだ。復刻の度に露骨な修正が加えられていて不快感を覚えたものだが、今回それを感じなかった。旧単行本と比べたわけではないが、かなりオリジナルに近い形ではないかと思う(修正されていたとしても違和感なく仕上げてあるのかもしれないが)。   

作品セレクトは呉智英氏。

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