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2011年7月18日 (月)

ねじまき少女 下

517b2rimrkl_ss500_上巻が面白かったで期待したのだが、何とも釈然としない終わりかたであった。

複数の登場人物たちにそれぞれ意味ありげな設定と伏線を張ったのに全てを回収しきれていないもどかしさ。

禁じ手ともいえる内戦突入(カオス)で強引に収束してしまったのは狡いぞ。

おかげで、タイトルでもある「ねじまき少女」エミコの存在感が最後まで中途半端なままであった。内戦のきっかけとなった事件以外は物語に何の影響も与えないし。

だいたい日本及び日本人の描写に違和感がありすぎた。個人的には映画「コンタクト」での描写と並ぶ作品ぶち壊しの描き方でどうしても受け入れられなかった。ということは、作者(アメリカ人)がここで描くタイ及びタイ人たちも・・・、まぁ、我々(日本人)から見たタイのイメージも五十歩百歩だろうしエラそうなことは言えんが。ただ虚構は虚構としてももっと上手に描いてほしかった。

ただ、それでもこの作品は嫌いになれない。

全体を通して幻想小説的な現実の歪みが漂っているところが好きだ。特に下巻から当たり前のように登場する死者と生者の師弟コンビ(彼らの行動が結果的に死屍累々のカルマを呼び込んでしまう)は強く印象に残る。ひょっとしたら、全ては生者カニヤの狂気から生まれた幻想だったかもしれない。

ラストでねじまきエミコの未来に含みを持たせたのは続編を意識しているのだろうか。

チューンアップして何の躊躇も呵責も感じなくなった殺戮マシーンとしてのエミコの活躍はちょっと読んでみたいな。

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