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2011年6月10日 (金)

歌川国芳展 〈前期:豪傑なる武者と妖怪〉 @原宿太田記念美術館

開催中の展覧会「没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳」。

なんと、前期・後期で大幅入れ替えが2回、部分的な入れ替えが2回、と合わせて4回は観に来いという御無体さである。お代官様である。お主も悪よのう、である。

ええ、もちろん行きます、行きますとも。

だって、全254枚(組み物は1枚で換算)、国芳定番の有名作品のみならず、今まで印刷物でしか観ていない作品や、初めてお目にかかる作品も数多くて、国芳贔屓の私は一枚も見逃したくないのである。

で、今回は国芳が江戸でブレイクするきっかけとなった「武者絵」、伝説の豪傑や彼らに絡む(大)妖怪を描いた作品、を中心とした陳列内容であった。Kuniyoshi3

今の時代で言えばヒーロー物であり怪獣物ということになるのだろう。

紙面からはみ出しそうな迫力を生み出す斬新な構図(実際にはみ出して三枚続きになっちゃったり)とその視覚効果を最大限に活かす勇壮・豪快な描写力に当時の江戸っ子は(今風の言葉で言えば)「かっこいい」とか「すげぇ」と熱狂したであろうことは容易に想像できる。

そりゃ、江戸の血気盛んな若者たちが自分たちのヒーローと一体化したくて刺青も入れちゃうってもんだ。

いやほんと、この宣伝用のチラシの絵を今の目で観ても迫力があって「かっこよい」と思いませんか(クリックでデカくなります)。

それぞれの作品に触れると切がないで止めておくが、一点だけ紹介しておきたい。

これはいわゆるデッサン集の一部なのだが、なんと実際の作品(?)は長さ5mに及ぶものである。

国芳芝居草稿6241

国芳に限らず、有名浮世絵師のこのような草稿(素描)を観る度に強く印象に残るのは、彼らが持つ優れた画力のことである。いわゆる「真を写す」という意味での画家としての才能がダイレクトに伝わってくるのだ。つまり、近代(西洋)的視点から見ても普通に巧いということだ(実際、欧米では「北斎漫画」を筆頭にこういった素描集は高く評価されている)。

そこで思うのは、絵師たちの「真を写す」才能と「浮世絵」として完成させる職人性とのアンビバレンツな関係性だ。下絵と完成した浮世絵とではイメージが変わるものも多々あるし、工程的なことでいえば何を足して何を引けば「浮世絵」らしく完成していくのか、心理面で絵師にジレンマやストレスは無かったのか、もしくは何にも考えていなかったのか、何のこだわりもなく優れた職人としての道を全うした絵師もいれば、バランスを取りながらしっかり自己主張している絵師もいるし・・・興味が尽きないのだ(国芳は十分後者であるな)。

そして、そんなこと考えながら会場で買った図録を観ていたら、後期展示予定の中に驚きの作品が!

次回(後期鑑賞後)に続く。

浮世絵太田記念美術館 http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/

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