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2010年2月24日 (水)

デイヴィッド・シルヴィアン Manafon

まるで深い森の中にいるようだ。6162ptrknel

即興演奏家による音源(不協和音、スクラッチや電子音などのノイズ)を基に編集・構築されたバッキングにシルヴィアンの歌声を融合させるという方法は前作でデレク・ベイリー等と成し遂げた成果の発展形とも言える。ただ前作が即興演奏家と対峙した(もちろんエゴイスティックなぶつかり合いという意味ではなく共振・感応を生み出すような)スタイルであったことに比べるとよりパーソナルな内容だと思う。ありがちな言葉を使えば前作はコラボ、今作はソロといったところか。

彼の歌が醸し出す幽玄な音世界をより深化させるために、それらの音源は注意深く(繊細にもしくは大胆に)配置されている。そこには絶対的な彼の歌と意思が存在していて「即興」的要素が入り込む余地はない。既成の音楽概念に囚われない刺激的で魅力的な素材として扱われているだけだ。

結果としてこれは大正解だったと思う。その唯一無比の声質のため誤解されがちだが彼は基本的にはメロディーありきのオーソドックスなスタイルの歌手なのだ。だが既成の音楽スタイルでは限界があるほど突出して個性的であるため、その歌声を最大限に活かす為にはバンド(JAPAN)時代から試行錯誤の旅を続けざるをえなかった(その時折で最良の成果をあげていたが)。極端な話、最終的にはアカペラ・アルバムに行き着くのではないかと思っていた。いや、ある意味、今回はほとんどアカペラのようなものかもしれないな。

余談だが念のため。「素材」という概念は現代の(少なくとも同時代的意識のある)音楽家にとっては「される」側も「する」側もほとんど抵抗のない当たり前の発想なのだ。ただ「パクリ」とは違うのだがね。それはまた別の話。

中途半端だがこの辺で。要は良いアルバムなのでみな聴いてくれという事です。

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コメント

David Sylvianプロデュース映像作品『Amplified Gesture』に加え、新たに本人がナレーションを加えたイントロダクション・フィルム(世界初公開)を日本語字幕付きで上映決定!
とのこと!!!
詳細:http://www.epiphanyworks.net/(News内)

投稿: POKO | 2010年10月19日 (火) 20時31分

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