« 沖縄の美ら海水族館 | トップページ | 師走の上野 »

2009年12月 1日 (火)

「ムッシュ!」ムッシュかまやつ

2002年に出版されていた自伝的エッセイ集が最近の活動部分などを加筆されて文庫化された。9784167773274

戦後日本のポピュラー音楽(洋楽志向の音楽)の変遷と共にその当事者として生きてきたムッシュは、まさに現代の稗田阿礼、歴史の語り部だ。一見、飄々とフットワーク軽く人生を生きてきているように見えるが、それは岐路に立つごとに自分の信念を貫き冷静な判断が出来てきたからに他ならない。そう、この人は常に傍観者ではなく音楽シーンの当事者であること選び続けてきているのだ。これは大変なことだぞ。常に貪欲な好奇心と柔軟な姿勢を保ち、しかも自分にとって有益なものだけを選びとれる確固たる音楽的感性(信念)を持ち合わせてなくてはならないのだ。普通なら、硬直化した己の音楽観にしがみ付き保守化するか、新しい物の上辺だけすくい取り時代に迎合するか、のどちらかになってしまうのだから。

ムッシュの場合、それを象徴するのがコラボではなくセッションという発想だろう。完成したものを擦り合わせ丸く収めるのではなく、むき出しの原石同士をぶつけ合いごつごつざらざらのままと混ざり合う。そうやって初めて共通点も分れば違いも分る。まぁ、その辺の詳しいことはこの文庫本の終わり、加筆部分に詳しく記されているのでぜひ読んでみてちょうだい。

あと、非常に興味深く読めたのが、当時からその音楽性に疑問を感じた「我良き友よ」のシングル発売と大ヒットの件の部分だ(B面の名曲「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」との音楽性の違いに感じた違和感も強く印象に残っている)。これについても、そうかそうだったのかと非常に納得させてもらえた。ここで「逃げた」のもムッシュらしくて最高だ。

|

« 沖縄の美ら海水族館 | トップページ | 師走の上野 »

ネット動画」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222843/46916246

この記事へのトラックバック一覧です: 「ムッシュ!」ムッシュかまやつ:

« 沖縄の美ら海水族館 | トップページ | 師走の上野 »