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2009年12月 7日 (月)

トム・ロブ ・スミス 「チャイルド44」

このミステリーがすごい!」 2009年版で海外作品第1位だった作品。

51peiekiel__sl500_aa240_ この手のランキングの上位作品は実際に読んでみると自分の好みに合わないことも多く、この作品も気にはなっていたのだが手は出さずにいた。物語の舞台がスターリン政権下のソビエトということ、しかも主人公はその国家保安省(KGBの前身)の捜査官。どう考えても恐怖政治下での救いのない物語であるに決まっているし、主人公含め登場人物全員が不幸な結末を迎える事は間違いない。そんな陰々滅滅な内容に長時間(上下2巻の長編)付き合うのはちょっと重すぎる気がして避けていたのだ。

ところが、最近本屋をのぞいたら早くも続編「グラーグ57」が刊行されている事を発見。

何なんでしょう、この旺盛な創作意欲は。

知れば作者は20代のイギリス人ということ(てっきり、あのころを経験してきたロシア人の年配者かと思っていた)。これは新しい切り口であの当時のソビエトを描いているに違いないと直感した。しかもこの続編の主人公は前作と同じ、つまり一度嫌疑をかけられたら死を覚悟するしかないあの恐怖政治の下で主人公は奇跡的に生き延びたということだ。その辺の『仕掛け』にも俄然興味がわいてきた。

で、読んだわけですよ。

この種の話に「面白い」という言葉を使うのには若干の抵抗もあるのだが、でもそれはもうサイコーに面白かった

ほとんど寝る間も惜しんで没頭した。案の定、主人公に関わる人々が次々と理不尽な死や絶望的な状況を迎えていくのだが、一つ一つのエピソードが印象的で、その後の展開にも上手く関連付けられ先を読む手が止まらないのだ。ああ、フラグが立ってしまった・・・先を読むのがを辛い、と思いつつ、何かきっと打開策がと期待させ、やっぱり駄目かと落胆させる、もしくは意外な展開で更なるフラグを生じさせる。この繰り返しに中毒性があるのだろう。

そう、主人公が生き延びて、かたち的にはハッピーエンドと言っても良い結末を迎えられた『仕掛け』のことだが、

以下限りなくネタばれになるので注意

物語には直接登場しないが、影の主役(ラスボス)はスターリンということだな。

読んでいる時からこれは映画化向きの作品だと思っていたが、熾烈な争奪戦を制したのはリドニー・スコット監督らしい。どうしてもハリウッド的な大作になるだろうからこの人選はしょうがないのだろう。例の光と影の演出が合いそうな素材ではあるけど大味っぽくなりそうで心配。でもキャスティングをあれこれ想像するのは楽しいね。主人公レオはトム・クルーズ辺りが狙ってそうだけど・・・

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