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2009年11月19日 (木)

Miles Davis 1973.6.20 Tokyo

何でもありのYoutubeとはいえ、こんな映像が残っているとは思わなかった。

Part.2 http://www.youtube.com/watch?v=i3KBhDCtkTo

Part.3 http://www.youtube.com/watch?v=13cuekNbcOE

このテレビ放映はリアルタイムで観たはずだが、鮮烈な印象を残す冒頭部分以外覚えていない。たぶん家族にあっさりチャンネル権を奪われてしまったのだと思う。どう考えてもお茶の間向けの音楽じゃないしね。

73年のエレクトリック・マイルス初来日公演は問題作「オン・ザ・コーナー」発表直後ということもあり当時の評論家の間で賛否両論渦巻いた。今思えば「賛」の評論家もどこまで理解していたのか、それまでのジャズ批評のあり方では通用しなくて苦労したのではないか。今でこそ当たり前になったロックやファンク、ポップスなどの同時代音楽とマイルスの関係性などきちんと理解している人は少なかった(あったとしても海外の雑誌記事の受け売り程度であったが)。

この時の演奏では、サックスのデイヴ・リーヴマンの評価が高かったように記憶している。確かにコルトレーン以降のモード・イディオムの発展形といえる彼のソロは従来のジャズの文脈で理解しやすいものだ。しかし、テーマらしきテーマも無く(あったとしても進行上のキュー出し程度の機能しかない)ほぼワンコードでうねうねととぐろを巻くファンク・リズム隊をきちんと評価しているものは少なかった。極端な話、サックスは代替え可能でも他メンバーの変更はあり得ないぐらい70年代マイルスを象徴するリズム隊であるにも関わらずだ。

「オン・ザ・コーナー」以降のマイルスに対しては、むしろジャズというスタイルに囚われない(ほとんど知らない)新たな聴き手が直感的に興味を持つようになっていったのではないか。私がまさにそうなのだ。なんだか得体が知れないアンダーグランドな雰囲気と濃厚な呪術要素、じゃがたらではないがまさに「暗黒大陸」と大魔王マイルスといったイメージ(これは「ビッチェズ」以降のアルバムジャケットの強烈な印象の影響も強いのだけれど)。分析とか評価とか頭で理解するのでなく心の深い部分が感応してしまう。身体がリズムに素直に反応してしまう。おかげで、その後の個人的音楽的嗜好性に多大な影響を与えられてしまったのだが。

さてこの映像だが、さすがに良い音質とは言えないが、臨機応変、変化自在なリズム隊の絡みがはっきり聴こえて生々しく、全体がオフ気味の「アガルタ」よりもずっと好みだ。特にレジー・ルーカスのギターのカッティングが素晴らしい。惜しむらくはマイケルのベースが引っ込み気味のところだが、これはしょうがないか。ピートが過激なエフェクトなし普通のペンタ系でソロを取っていたのが意外だった。

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