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2009年2月26日 (木)

ヒストリエvol.5 岩明均

いつの間にか新刊が出ていた。51bbx368qjl__ss500_

前巻発売から一年半ぶりぐらいかな。正直なところ、どの辺まで話が進みどんな形で続きになっていたか、はっきりとは覚えていなかった(そういえばあの頃は父の葬儀などで身辺が慌ただしかったな)。

そこで改めて一巻から読み直してからと思ったが、冒頭を少し読んだだけで、全て鮮明に思い出した。「絵」の力ってすごい。話を論理的に文章として記憶しているのではなくて、直観的に「絵」として記憶しているのだ。それはキャラクターの造形であったり、場面構成であったリ、(マンガ的な)動きの描写であったり、その記憶の全てが有機的に絡みあって瞬時に「ヒストリエ」という物語世界の胎内に引き戻されてしまった。

さて、物語は長いプロローグを終えて、いよいよ史実(いや、史実というよりもほとんど伝説というべきか)とリンクした英雄世界へと旅立ち始めた。

今巻ではマケドニア王フィリッポスの正体が明らかになるシーンが圧巻。その漢ぶりにグッときた。萌えた。主人公の過去のエピソードを過不足なく絡み合わせて(だからこそ瞬時に思い出すことが出来たのだが)フィリッポス登場までつなげていく話の展開も見事であった。

その後のマケドニアの首都ペラでのシーンも、主人公の波乱に富んだ人生を暗示するような伏線やら重要人物の登場やらとぐいぐいと惹き込んでくれる。ラスト近くには「あの方」も・・・

ところで、岩明均という作家はどこかとぼけた味わいのある作風で、どんなに深刻で凄惨な場面でも「軽み」のようなものが漂い何とも独特の読後感を残す。ある種の達観のような無駄な感情を廃したそれらのシーンは、逆にリアルな既知感を感じさせ忘れ難い印象を残すことになる。それは「寄生獣」の時から変わらない岩明作品の最大の魅力だ。

こりゃ、「寄生獣」がまた読みたくなってきたじゃないか。

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