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2009年1月 4日 (日)

正月3日 東京国立博物館 

毎日天気が良かった正月3が日、これは外に出ないともったいないでしょう。ということで3日は上野の東京国立博物館新春企画 博物館に初もうで」に行った。016

松の内に鑑賞する美術品に普段とは違う趣を感じるのは何故だろう。

日本美術のほとんどはもともと装飾品として存在し、例えば客人を供応する場で、もしくは書院や茶室など自己鍛練(啓発?発見?良い言葉が浮かばない)の場で、非日常空間を演出する道具として機能していた。近世以降も大衆化したとはいえ庶民の夢や非日常の楽しみを反映してきた物であったわけで、現在のように後付けの知識や価値観で批評的に鑑賞するだけでは本来の価値や楽しみ方が分かり難くなってしまう(もちろん近代の再評価が価値を下げているというわけではない)。

以前は美術館なり展覧会に行くだけで鑑賞者も非日常(ハレ)モードに切り替わったものだが、今は余計な知識や蘊蓄が先行して「楽しむ」ではなく「確かめる」ために足を運ぶようになってしまったように思う。そうすると、テレビや出版物で見たモノの方が良かった、といった本末転倒が起きたりするのだ(いるよね、でかい声でそーゆう事言うオジやオバ)。

ところが、正月だけは日本全国ハレ舞台。美術館を訪れる私の頭もハレ状態。めでたい題材はよりめでたく、楽しむ庶民の姿はより楽しそうで、仏像仏画縁起物全てが不信心の私でさえありがたく感じてくるから不思議なものだ(普段はあまり興味のない陶器や漆器の類にまで魅かれる)。頭に余計なモノがなく純粋に楽しめる。

確かに自分の感性や知識に沿った価値観や嗜好性で日本美術を鑑賞してきたから数々の作品に触れることが出来たわけだし、普段の自分の生活ペースやスタイルの中で楽しむことが出来るからこそ日本美術が好きと言えるわけだけど、年に一回この正月の東博詣はそんな私の価値観や嗜好性をリセットする働きを果たしてくれる。まっさらでフラットな状態からまたこの一年楽しむことが出来るのだ(それは美術品に限らない)。

だから、正月の東博詣では止められない。

あれ、正月(年明け)って元々そういうものだったけ。

今回最も印象に残った作品はこれ。

一遍上人伝絵巻 巻第七 法眼円伊X01y01_2

楽しむ人、慌てる人、疲れた人、揉めてる人、あらゆる喜怒哀楽に溢れた市井の人々の細部に渡る描写が楽しい。この時代に生きていた自分(ご先祖様!)を何の違和感なく地続きで想像できる。

こちらで細部まで鑑賞できます↓
http://www.emuseum.jp/cgi/detail.cgi?SyoID=1&ID=w052d&SubID=s000&Link=

夜、モロ志賀氏(仮名)とささやかな新年会。昨年のベスト・ライヴは何かとか、ミュージックマガジンやスヌーザー、ロッキング・オンなど音楽雑誌の昨年のベスト選出は如何なものかとか、perfumeの事など話題に楽しく過ごす。今年も宜しく。先ず一発目のライヴは11日のモグアイだ。

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