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2008年10月 2日 (木)

ストレンジ・デイズよりストレンジなのはストレンジ・デイズだけ?

ほぼ毎号購読していた音楽雑誌「ストレンジ・デイズ」がこの6月から休刊していてちょっと残念に思っていたのだが、今月に入ってリニューアル新装刊が出た。51dys2bynzkl__ss500__2

もともと、ビートルズ以降の「ポップ」という切り口からブリティッシュ・ロックを中心に(ストレンジな)音楽を紹介する雑誌であったが、その守備範囲は60年代、70年代の英国に限らず、時代や場所、ジャンルを超えて多岐にわたり、単なる資料的価値だけでなく新たな刺激を受ける特集も多かった(特にプログレ系の記事が多かったことも個人的にはお気に入りの理由だ)。

このような他の音楽雑誌と一線を画する編集方針は、岩本晃市郎という編集長であり発行人である男の「想い」から生まれたものだ。その精力的な仕事ぶりは本紙の編集だけではなく資料的価値の高い関連書籍の発行、歴史的名盤や貴重盤アルバムの復刻CD化(日本での紙ジャケ仕様の復刻ブームは彼の仕事が要因であるところも多い)、更にはイベント開催まで及ぶ、そう、はっきり言えはワンマンなのだけど、その自分の好きな信ずるものを多くの人に伝えたいというエネルギーと実行力には頭が下がる。

その岩本晃市郎が去年の暮れから体調を崩し闘病生活に入ってしまった。つまり、ストレンジ・デイズ岩本晃市郎であるから雑誌は継続不可能になった、ということだ(それでも6月の107号まで発行した)。だから、この3ヵ月ぶりのリニューアル新装刊は「岩本晃市郎無事帰還」ということであり、まずは目出度い。

さて、その新装刊「ストレンジ・デイズ」だが、うーむ、サイズがでかくなって却って探しにくいというのは慣れの問題であるにしても、ちょっと競合する雑誌との差別化が弱くなった気がする。特集も中途半端(表紙を飾るZEPがジャケット解説だけかよ)、「1968年」も個人史的視点(懐古趣味?)だけで語るのはいかがなものか、マニアックなイメージを極力排しタイムリーなものを狙って読者の裾野を広げようという意図もありそうだが、それって岩本晃市郎からだけの発案でないような・・・。その他の記事は継続されているものも多く、以前よりも読み易いレイアウトになった。なかでもCD&DVD REVIEWのコーナーはコラム・ページとのバランスが良く読み物として楽しめるものになって成功していると思う。いずれにしろ音楽雑誌としての基本部分は充実しているわけだし、過去のスタイルに囚われない柔軟な発想が上手く活かされた魅力的な表紙と巻頭特集が組まれれば新たな購買層を確保できそうだ。

岩本本人も編集後記で記しているが、リニューアルの真価は次号以降にはっきりしてくると思う。

ところで、俺は雑誌「大人のロック」が大嫌いだ。

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