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2008年10月29日 (水)

楽しい音楽生活 12                クラシックも聴くよ

中学校の時の音楽の先生は、生徒達が日常的に聴いていた音楽、ポップスやフォーク、ロックなどに理解があった。定期的に行われたクラシックの試聴授業でも、そんな生徒達が興味を持ちそうな曲を選曲してその音楽的構造や魅力を(ピアノを使って)上手にお知えてくれた。ただ理論だけを押し付けの教材で教えるのではなく、「音楽の楽しさ」を知ってもらう事に優先的に力を入れていたのだ。「学ぶ」ためにクラシックを聴くのではなく、先ず自発的に楽しむ事が必要で、音楽知識は後から付いてくるという事だ。更に、興味を持った生徒達(私もその一人)だけの放課後試聴会を行ってくれた(そこではクラシックに限らず、生徒が持ってきたポップスのレコードをかけたり、生徒が結成したフォーク・グループに歌わせたり、という事もあった)。先生(男子中学生にとっては、いろいろと困るぐらい『大人』の女性でした)自身は印象派が好きだったようで、フランス近代の曲(小品でメロディアスな曲が主だったが)をよくかけていた。なかでも、大音量で聴いた「ボレロ」の感動は一生忘れられない思い出になった。(同じ「印象派好き」でも美術の先生Nは自分の美意識・価値観だけを押し付ける最低の野郎だった)

ビートルズの記事を書いた時にも思ったが、中学生の時の音楽体験って人生に大きな影響を与える気がする。ま、それは音楽に限らないけどね。

前の会社で聴かせ上手・教え上手なクラシック好き上司に出会ったことも大きかった。この方には、演奏家の魅力とその違いによる楽しみ方を教えていただいた。フルトヴェングラー、トスカニーニ、歴代の偉大な指揮者に始まって、グールドなど個性的な演奏家まで・・・この方の家に遊びに行くのが楽しかった(音楽談義をしながら飲む酒も旨かった)。大変感謝しています。

そんな訳でクラシックも好きだよと。今、iPodにもクライバーのベートーヴェンやグールドのバッハなど何枚か入っているけど、今日はその中からこの一枚。

フォーレ:「レクイエム
ミシェル・コルボ指揮 ベルン交響楽団 他 517ogafqbml__ss500__2

その音楽好きな上司が教えてくれた数々の名盤・名演の中で最も心に響いた一枚。未だに年に何回かは通して聴くぐらい好き。

昨今は「癒し」とか安易な一言で紹介されたりするが、そんな上っ面だけの音楽ではない。もっと心の深いところに届く、聴き手に(心理的に)自分と向き合う事を促す力のある作品だと思う。

そこには(キリスト教的な)神の怒りも審判も許しもない、第三者に委ねるのではなく、己自身で、己に向き合う事で、最後の楽園に至るのだ。

「私のレクイエムは死に対する恐怖感を表現したものではない」とフォーレは言う。彼にとって死とは「苦しみというよりもむしろ永遠の至福と喜びに満ちた開放感に他ならない」のだ(発表当時は異教徒的と批判もされたようだ)。世界中で宗派を超えて自分の葬式でこの曲を流して欲しいという人々が多い理由も分かる。

そして、ボーイ・ソプラノを採用したコルボによる演奏が素晴らしいのだ。透明感と柔らかさ、必要以上に重厚になり過ぎないオーケストラ・アンサンブル、別の指揮者の名演と言われる演奏も聴いてきたが、最後はこの演奏に戻る。

全7曲、有名なソプラノ独唱曲『ピエ・イエズス』や映画やテレビでも良く使われるラストの『イン・パラディスム楽園にて)』などどの曲も魅力的なのだが、個人的には3曲目の『サンクトゥス』が大好き(iPodでもこの曲だけピックアップして聴くこと多い)。

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