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2008年8月25日 (月)

あたらしい朝 1 黒田硫黄

黒田硫黄久々の長編漫画、単行本化を待っていた。51ss2h2bntil__sl500_aa240_

仮装巡洋艦とは、さすが面白いところに目を付けるものだ。

待望の新作は第二次世界大戦時を舞台にした戦記物(主人公はドイツ人)。もちろん硫黄らしく唯のドンパチには終わらない 、捻りの効いた内容だ。人間味はあるがクサクなり過ぎないキャラ造りと、ドラマチックではあるが熱くなり過ぎることのないクールなストーリーが彼の魅力だと思うが、この作品でもその魅力が十二分に発揮されている。

表紙の印象から今巻はドイツ本国中心の導入部かな、と思っていたら、あっという間に戦闘開始。よっぽど仮装巡洋艦の活躍と船員たちの生活を描きたかったのだろう、作者がノリノリで描いているのが伝わってきて好ましい。その昔、宮崎駿が専門誌で描いていた戦記物に近いテイストも感じる。常に「死」と隣り合わせの状況下であるとはいえ、日常はあくまでもボンクラで普通の男達の日常なのだ、だからこそ戦闘時の殺人と破壊という非日常性が際立つ。

そして、このあまりに人間的で親しみのもてる登場人物たちに、現実が(歴史的にも)幸せな結末を与えることはない予感を覚えるだけに、全編にわたって「悲劇性」が通奏音として低く小さく流れているような気がする。少なくとも全員が幸せな結末を迎えることはないだろうな、そうか、「あたらしい朝」を迎えるとは・・・まだ結論は早いな、始まったばかりだ。

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