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2008年6月 9日 (月)

人間共の神話 山上たつひこ

人間共の神話 山上たつひこ単行本未収録傑作選332077486_4

71年の『旅立て!ひらりん』の頃に書かれた「晦夜」を除けば、収録作は全て『喜劇新思想体系』執筆時期の作品だ。

これは非常に興味深い。

惜しいことに未完のまま終了した山上流戦後新思想体系『人間共の神話』を始めまさに裏『喜劇新思想体系』と言える内容だからだ。

読み込んだ人なら分かると思うが、『喜劇新思想体系』にはそのエロでグロい過激ななギャグの裏にシニカルでペシミスティックな山上の視線を感じさせる部分がある。それは作者の根本的資質であり隠しようにも隠しきれず滲み出てしまうものだと思っていた。つまり直接的な表現の場所が無くなりギャグの世界に形を変えて表現してるとね。

違った。

同時期にこれだけ吐き出しているとは思わなかった。しかもかなり直接的な描き方だし・・・むしろガス抜きする場があったからこそ強烈なテーマをうまくギャグに転化できて『喜劇新思想体系』が描けたのかもしれない(それでも十分強烈だったが)。

若かりし頃の師匠(?)を彷彿させるキャラが主人公の『晦夜』も含めて『喜劇新思想体系』を想起させる登場人物がいくつか登場するが、『王道楽土の落日』はそのまま『喜劇新思想体系』に収録しても違和感がないぐらい「まんま」だ。警察官だったり軍人だったりするこの種の主人公や登場人物は山上作品に良く登場する。余計なものをそぎ落としてエッセンスだけで造り出したものが『イボグリくん』シリーズかもしれん、と今思いついた。

それにしても今回の未収録傑作選シリーズ刊行の意義は大きい。資料的価値は勿論、今まで影響の割にはきちんと論じられる機会の少なかった山上漫画の再評価のきっかけにもなると思う。「ユリイカ」あたりで特集しないかな。

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