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2008年5月22日 (木)

神代の国にて 山上たつひこ

神代の国にて 山上たつひこ単行本未収録傑作選232063525_2

1970年終りに(作者の意に反して)中途半端に連載が終了した問題作『光る風』の後、山上たつひこは政治的・社会的作品を封印してきた、と勝手に決めつけていた。その後の約一年半の間は72年夏からの『喜劇新思想体系』連載開始で新たに突き抜けた漫画世界へ突入するための準備期間であり、ギャグ志向の強いSF風短編をいくつか書いていただけと思っていたのだ。

ところがどうだ。この傑作選に収録された作品を読むと、山上は『光る風』以上に具体的かつ過激な表現で自らの政治的・社会的漫画路線に落とし前をつけていたではないか。そしてこの路線は形を変え『喜劇新思想体系』の中で下世話で猥褻な描写の中に受け継がれていったのだ(実際この作品集の中に登場するエピソードやモチーフは『喜劇新思想体系』の中で再度登場する)。

とりあえず表題作の『神代の国にて』を読んでいただければ、当時の山上たつひこのスタンスと方向性が理解できると思う。しかし、”ここ”からギャグ漫画家への跳躍は本当に凄いな(今だからこそ一貫性もあり地続きだということがわかるのだけど)。

巻末に掲載された『山上たつひこ1972年─ペシミズムとの格闘を超えて』という中条省平氏の解説が素晴らしい。

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