« 30000アクセス突破!         ありがとうございます。 | トップページ | こんな映画を観てきた 6 用心棒 »

2008年4月18日 (金)

一軒家 山上たつひこ 

一軒家 山上たつひこ単行本未収録傑作選1 803068_4

60年代後半、18歳から21歳までの短編が収められている最初期作品集だ。

当時、高校卒業後「劇画」専門の出版社で編集者として働いていた山上がページの穴埋めなど必要に迫られて短い時間で書き上げたモノがほとんどだと思うが、劇画独特の泥臭さを残しつつ次第に洗練された描き方へ変化していく過程が興味深い。

「劇画」専門誌として求められる作品を作り出すだけではなく、時代のニーズにも応え得る作家性。編集者としての彼の嗅覚が、同世代の漫画家たちの新しい流れに敏感に反応したという事もあるだろうが、基本的に彼の画力と物語作りの才能が非凡であったということだろう。

収められている作品のほとんどはアイデア一発物のSF風短編だが、既に『鬼面帝国』や『光る風』等に連なる山上作品の萌芽が見うけられる。というか、最初から「絵」としては完成しているのが凄い。若干の試行錯誤を経て、69年の『合作』あたりであの山上のタッチになっているのだが、他の作品でも、そのペン使いの達者ぶりには感心する。スクリーントーンもなく全部手書きで効果線から背景まで描く時代、特に『一軒家』での描き込みは圧巻だ。まだ、18,19歳でこれだもんな、そういえば、「背景を描くのは好き、楽しい」とどこかで発言していた記憶があるが・・・

そうそう、「にぎり寿司三億年」収録の『愛と涙の宇宙船』(73年作品)がこの傑作選に収録された『漂流』(67年作品)のセルフパロディだったことは今回初めて知った。

|

« 30000アクセス突破!         ありがとうございます。 | トップページ | こんな映画を観てきた 6 用心棒 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

山上たつひこ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222843/40914600

この記事へのトラックバック一覧です: 一軒家 山上たつひこ :

« 30000アクセス突破!         ありがとうございます。 | トップページ | こんな映画を観てきた 6 用心棒 »