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2008年2月17日 (日)

大阪ハムレット 森下裕美

Photo_3

以前1巻目を書店で見かけたとき森下裕美の新作ということで手が出かかったが、表紙の絵柄から彼女の持つダークな側面全面展開の暗く重い話のような気がして躊躇していた(タイトルにハムレット入ってるし)。

今年になって2巻目が出て表紙の女(の子)たちに魅かれるものを感じて、ためしに購入してみた。

やられました。Photo_5

電車の中で読んだのがまずかった。涙が止まらない。だいたい「ちりとてちん」で涙腺弱くなっているところへ、大阪弁の人情話直撃はやばかった。

その日のうちに1巻目も購入したのは言うまでもない。

人情話と書いたが、だれか奇特な人の親切で皆幸せハッピーエンド、という話は一つもない。世の中や大人の事情に振り回されやすい弱者としての子供たちや女性が主人公の話が多いが、彼女彼らが厳しい人生を生き抜くための〈良い意味での)「強かさ」を周りの人々とのふれあいから身につけていく過程が泣かせるのだ。決してハッピーエンドは約束はされていないが、ポジティヴに生きようとする姿勢に共感するのだ。

舞台は「だんじり」で有名な岸和田や和泉周辺のようだが、住民の定住率が高い街で人間関係は濃いのだろう。そんなイメージを代表する大阪ハムレットこと久保田君がいいキャラだ。少し乱暴者だけど優しいところもあって、何といっても家族思い(またこの家族がいい味出しているのだ)。ほかの話にもチョコと顔出したりしていてこの作品が連作として描かれていることがわかる。映画化されるようで、だれがどの役を演ずるのか楽しみだが、久保田君役は重要だと思うぞ、期待して大丈夫かな?

好きな話はいくつもあるが、1巻目の「乙女の祈り」、同じ主人公で「おんなの島」、性同一障害の主人公が前向きに生きようとする話なのだが取り巻く人々の描写も含めて完成度が高い。お父ちゃんがいいんだよ。あとは第2巻の「十三の心」、思春期の女の子の揺れる心を描いた作品で、主人公が自分の文学的資質に開花していく過程と自分の周りの現実に折り合いをつけていく過程が並行して描かれていている。途中で出てくる高校の文芸部部長が昔の森下キャラそのままでちょっと嬉しかった。

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