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2007年9月28日 (金)

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

Django001

三池映画の魅力を人に伝えるのは難しい。

決して万人向けとは思えないテイストが溢れ出ているのになぜかメジャー系の作品が多い。請われれば映画職人としてきっちり仕事をこなすが、どの作品にも必ず(濃い薄いの違いはあるが)三池印の刻印が押されている。その刻印とは、日常の中に突如登場する非日常、エロ・グロ・ナンセンスの世界だ。映画に非日常な刺激を求める者にとってはそれこそが三池映画の魅力に他ならないが、自分の日常生活の延長の範囲でカタルシスを求める人には強烈な拒否反応を起こさせる。自ずと人に薦めることに慎重にならざるをえない。映画に何を求めるかは個人の自由であるし、無理に薦めて人間関係に決定的な軋轢を生むのも考えものだ。

例えば「極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU 」という極北の三池作品があるのだが、これを無防備な一般人に見せたとしたら、あなたの人格を否定されるどころか通報される可能性もあるのだ。

ことほど左様に三池映画の魅力を人に伝えるのは難しい。

ところが「ジャンゴ」は三池映画であって三池映画ではなかった。

日常も何も最初から非日常の世界が炸裂しているのだ。書割の富士山とワイヤー丸見えでぶら下がった太陽を見た瞬間悟った、三池は本気だ。デタラメ、何でもありという虚構の世界で如何にして映画的リアリティーを構築していくか。映画的リアリティーとは誇張であり記号化であるのだが、三池はマカロニ・ウェスタンや黒澤等の映画的記憶を効果的に引用することでスキヤキ・ウェスタンというファンタジーの世界をスクリーンの上に創り出したのだ。

二度見ることをお奨めする。

一度目、三池ファンは「らしさ」少なさに不満足かもしれない。普通のアクション映画を求めてきた人はあまりの展開に唖然とするかもしれない。

しかし再び見たとき、これは三池が創り出した映画的リアリティー満載の「お話」なのだと気づき、心の底からこの映画を楽しむことができるのだ。

このテイストがどストライクな人って結構いると思うのだけど、もっとたくさんの人に見て欲しいな。海外で成功して次の大作が撮れることを期待している。

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